昨日は仕事で遅くなりました~ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ドテ
自分は技術畑の人間なんですが、人手不足の職場なので場合によっては色んな場所にヘルプに行きます・・・今日は現場に出てLANケーブルを敷設してたりしてました。ちなみに自分は現場だとLANケーブルを引き回したり、什器を動かしたりみたいな簡単な作業しか出来ません(笑)
さて、最近はWi-FIなんかの無線LANが主流なので若い方はあまり馴染みがないかもしれませんが、現場なんかでLANケーブルを敷設するときは基本的にケーブルの先っぽにあるコネクタは付いておりません。ケーブルを敷設してからコネクタを付けます。↓こんな感じ(下のようにニッパーで被膜を剥き、端末処理用の専用工具を使ってコネクタを圧着します)
で、このような作業をするときに工事担任者の資格を持ってる方が「俺資格もってるから端末処理(コネクタをLANケーブルに圧着すること)やるよ~」なんていってくれるんですが、ぶっちゃけ結線さえ間違えなければど素人の自分でも施工できる作業なので、普段から「工事担任者の資格ってどんな資格なんだろう?LANケーブルって工事担任者の資格がないと作っちゃダメなのかな?」と漠然と思ってました。今日はせっかくなのでこの資格について掘り下げて見ようと思います(^^)/
そもそも工事担任者って??
そもそも工事担任者のお仕事が良く分かりません(笑)ということで公式ホームページから引用してみました。
電気通信の工事担任者は、電気通信回線に端末設備、又は自営電気通信設備の接続工事を行い、又は監督する役割を担っています。
利用者による端末設備又は自営電気通信設備の接続は、電気通信に関する知識を要し、その良否は電気通信回線設備を通じて他に与える影響が大きいことから、電気通信回線設備の損傷及び他の利用者への迷惑を事前に防止(接続の技術基準を確保)するとともに、人体の保護を確実ならしめるため、総務大臣がその資格を認定した工事担任者にこれに係る工事を行わせ、又は実地に監督させることを義務づけています。
電気通信の工事担任者とは? | 電気通信の工事担任者 | 日本データ通信協会 電気国家試験センター (dekyo.or.jp)
う~ん?どうやら総務大臣から何か義務付けられている様子・・・イメージ的には電話線とか光ファイバーを引き込んだり、LANケーブルを敷設したり、電話を使えるようにしたりする際に必要となる資格っぽいですね??
ちなみに総務大臣のお達しということなので総務省のホームページも調べてみました↓
工事担任者資格(電気通信事業法第71条)
「利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。」と電気通信事業法第71条第1項に規定されています。
電気通信事業者の通信設備(保安器、ONU等)に通信線を接続する工事(ネットワーク機器のセットアップ、設定、接続、配線工事、通信障害時の切り分け・通信回線試験・復旧工事 等)には工事担任者による工事又は実地の監督が必要となります。
総務省|電気通信政策の推進|電気通信関係資格手続きの案内 (soumu.go.jp)
う~ん、法律から参照しましたが、分かりにくい書き方で理解しづらいですね…
ただ、総務省ホームページに掲載されていたQ&Aも自分なりに読み込んだ結果、例えば光回線を引く場合に「電柱からONUまでの光回線の敷設」や「構内でのLAN敷設や、HUBなどの接続」には資格が不要となりますが、「この二つを接続する」のにこの資格が必要みたいですね。
Q8.戸建て住宅やオフィスビルに端末設備を設置して事業用ネットワークに接続する場合には、一般的にどのような工事に工事担任者が必要となりますか。
A8.戸建て住宅の場合、責任分界点(保安器)から屋内の指定箇所まで配線し、プラグジャック方式の接続口を設けて接続する端末機器の設置や調整する工事について、工事担任者による実施又は実地に監督が必要になります。一方、オフィスビルの場合、一般的に戸建てに比べて端末設備を構成する配線や端末機器が多岐にわたるため大規模な工事になりますが、工事担任者が必要となる工事の対象は、責任分界点から屋内に設ける接続口までの配線や機器の調整等の一切の工事となります。
000829038.pdf (soumu.go.jp)
ただ、既に通信線がある場合などは、基本的には工事担任者は必要ない模様↓
Q10.既に通信線がある戸建て住宅やオフィスビルで端末機器を接続する場合、工事担任者は必要ですか。
A10.利用者は、既設の通信線等を通じて電気通信サービスを利用するためにサービスの申し込みを行った後、端末設備の接続に係る設置や調整を工事担任者に行ってもらう必要があります。
ただし、プラグジャック方式の接続口が設けられていて、これに適合表示端末機器を接続する場合には、電気通信に関する知識を必要とせず、一般の利用者が行っても事業用ネットワークに損傷等が発生せず他の利用者に悪影響が及ばないことから、工事担任者は必要ありません。
000829038.pdf (soumu.go.jp)
そう考えると、結構限定的な資格なんですね~この資格が必要となる場面って、電気通信にかかる工事業者で働いている人くらいかな?ちなみに自分がやろうとしていたLANケーブルの加工(端末処理)も無資格者がしても大丈夫みたいです。ただ、推奨はされていないようですが(-_-;)
Q13.自宅等で運用中の技術基準に適合したルータ等の下位にPC等を増設する場合、一般的には規格に適合した既製品のケーブルが用いられますが、このケーブルを任意の長さに加工して端末機器を接続しようとするときには、工事担任者が必要ですか。
A13.加工したケーブルの接続コネクタが外見上プラグジャック方式であったとしても、加工時の不手際等によってコネクタの結線が適切でなく、極性の取り違えや接触不良など規格を満足しないものになってしまう可能性があります。その不具合による影響を考慮すると、ケーブルの加工は、工事担任者に行ってもらう又は加工の結果を確認してもらうことが望ましいものと考えます。
000829038.pdf (soumu.go.jp)
工事担任者の種類について
ってことで、次はこの資格の種類について調べてみました。どうやら令和3年度から制度に変更があったらしく、現在は下記のような区分になっているようです。
- 総合通信・・・工事担任者にかかるすべての作業ができる
- 第一級アナログ通信…アナログ電話回線やISDN回線に関する作業が出来る
- 第二級アナログ通信…主に電話機やFAXにかかる作業が出来る
- 第一級デジタル通信…ISDNを除くすべてのデジタル通信にかかる作業が出来る
- 第二級デジタル通信…主にインターネットに接続するための作業が出来る
自分なりに嚙み砕いてリストにしましたが、ぶっちゃけよく分からないですね・・・なお、詳細は下記のリンクから確認することが出来ます。まあ取得するなら何でも出来る「総合通信」が良さそうですね。
電気通信の工事担任者とは? | 電気通信の工事担任者 | 日本データ通信協会 電気国家試験センター (dekyo.or.jp)
工事担任者の求職数ってぶっちゃけどうなの?
はい!ということで危険物取扱者の時も調べましたが、実際の求人数が気になりますよね!ってことでハローワークで検索しました!(R4.9.1現在)
ちなみにハローワークインターネットサービスの求人検索にて、「詳細検索条件」の「必要な免許・資格」欄にある「Gー電気工事ー(それぞれの工事担任者資格)」をチェックして検索しました。なお、ハローワークは令和3年度に改定された資格に対応してませんでしたので旧資格での記載となります。
- AI・DD総合種(総合通信)・・・65件
- AI第1種(第一級アナログ通信)・・・11件
- AI第2種(廃止)・・・20件
- AI第3種(第二級アナログ通信)・・・13件
- DD第1種(第一級デジタル通信)・・・18件
- DD第2種(廃止)・・・6件
- DD第2種(第二級デジタル通信)・・・31件
上記は全国での数になるので、危険物取扱者に比べると非常にニッチな資格となりますね・・・ざっと求人内容も見ましたが、電気工事士の資格でもよかったり、必須というよりあれば尚可って感じの求人が多く見受けられました。就職の際に求められるというよりは、通信インフラや通信関連工事会社に入社した人がスキルアップ、キャリアアップのためにとる資格って感じですかね~
ちなみに求人の地域的な偏りについては、東京一極集中って訳でもなく北海道から沖縄までありました。
世の中に必要な資格だけど・・・
まとめになりますが、工事担任者は、光ケーブル等を引き込んでネットワークと接続するような工事をするために必要となる国家資格です。通信事業ってのは無くなることはないですし、有線のみならず無線工事の際にも役立つ知識が得られる資格だと思います。
ただ、求人数を見ても、この資格だけを持っていても就職や転職が有利になるとまでは言えないようです。この要因は2つあると考えられます。
- 有資格者の需要が、通信系を取扱う工事会社や下請け企業に限定される
- 作業員がこの資格を所持していなくても、工事担任者が実地監督をしていれば問題なく、極論現場に1人いれば良い資格
1.はハローワークの求人数を見てもわかりますが、明らかに需要が少なすぎます。また、先に引用した総務省のホームページには「工事担任者による工事又は実地の監督が必要」と記載されております。これは裏を返せば、工事担任者が監督していれば実際に工事を行う人間はこの資格を取得しなくても作業が行える。ということです。ここら辺が需要の少なさに拍車をかけている気がします・・・
自分としては、今回調べたことにより工事担任者の理解は深まりましたし、通信系工事をしている人は是非取得しておきたい資格かなと思いました!が、自分はとりあえず取得することはないかな?まあ、まずは今月の危険物取扱者の試験に向けて勉強せいっ!!て話ですが(笑)
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